立憲民主党 中野区議会議員の森たかゆきです。
本日、中野区議会の臨時会が開かれ、新型コロナウイルス感染症対策のための補正予算が可決、成立しました。
内容は、例の10万円の特別定額給付金や都のママパパ応援事業の他、保健所職員の特殊勤務手当、オンライン授業に向けた学校のICT化支援、就学援助世帯等への昼食費補助、各種相談事業の拡充などです。詳細は区HPのこちらでご確認ください。
通常の議会は本会議も委員会も密閉、密集、密接の3密の要件を完全に満たしてしまっているため、本会議については採決時以外の出席議員を半分にしてソーシャルディスタンスを保持、委員会については出席する区職員を絞り通常使わない席も使うなどの対策を講じた上での開会となりました。
本会議では、立憲民主党・無所属議員団の立場から私が賛成討論を行いました。以下に全文を掲載します。本当は言うべきことを書き出した段階で既にこの3倍くらいの分量があったのですが、各会派間で時間短縮に協力しましょうという話になり、3分程度の討論となりました。内容を一言で言えば、「知恵を絞れ、金を使え」です。
特に、「知恵を絞れ」の部分は議員になった10年前からあらゆる機会を通じて訴えてきたことですが、未だに「国や都の方針を見て」とか「近隣区の動向も参考にしながら」という答弁が珍しくありません。まさに自治の力が問われているこの局面で、改めて強く訴えさせていただきました。
令和2年度中野区一般会計補正予算案森たかゆき賛成討論
第47号議案令和2年度中野区一般会計補正予算案について、立憲民主党・無所属議員団の立場から賛成の討論を行いますが、時間短縮のため要点のみ簡潔に述べます。
本議案の歳出の大部分を占めるのは特別定額給付金をはじめとした国や東京都の支援施策です。いずれの支援策についても必要とする方に確実かつ迅速に届くよう求めます。重要なことは、一つ一つの事業について、その趣旨を踏まえ法の認める範囲で知恵を絞り区民のための最善の方策を採ることです。国や都の制度であっても基礎自治体で創意工夫ができる点も多くあります。ここでどれだけ知恵を出せるか、区民のための対応ができるか、まさに自治の力が試されています。鍵カッコつきの「お上」の顔色を窺ったり、近隣自治体との横並びを意識したりという発想から脱却し、「区民のために」を起点にした区独自の判断に基づく事業執行が迅速に行われていくことを期待します。
広報については、HP改善や高齢者向けリーフレット作成など新年度に入ってから改善が見られ始めていますが、一方でまだ情報提供の遅い場面、配慮が不足している場面も見られます。必要な情報と正しい知識が区民に伝わるよう更なる改善を求めます。
区独自の施策としては、区立小・中学校休業中の昼食費補助が盛り込まれています。低所得世帯にとって、普段必要とならない子どもの昼食費を支払わざるを得ない現状は大変な負担です。こうした家庭への支援は極めて重要であり、高く評価します。
しかし、立場の弱い人のところからしわ寄せがいってしまっている状況下、その他にも区民生活を支える支援策を早急に拡充する必要があります。昨日成立した国の補正予算の規模は当初予算の1/4、東京都の補正予算の規模は財政調整基金の1/3を超えています。相当な規模ですがそれでも十分かどうかは不透明です。アメリカは300兆円規模の経済対策を打ち出し、財政規律を重んじてきたドイツも赤字国債発行に踏み切るなど、諸外国は更に大胆な対策を打ち出しています。リーマンショック後の回復期に日本ひとり負けと言われた状況の再来を危惧します。
財政面を全く無視するわけにはいきませんが、民需が縮小する場面で公までが支出を抑制すれば経済状況は更に悪化し、不況の長期化を招きます。例えば既にいわゆる派遣切りのようなことも起きていますが、失業期間が延びれば延びるほど再就職は困難になります。生活保護の申請も急増しているように伺っていますが、早期に手を打つことで長期的な区の財政負担をむしろ減らせる取り組みもあるでしょう。
新型コロナウイルス感染症とそれに伴う景気の急激な悪化に対応するためには本補正予算だけでは不十分です。第2回定例会に向け速やかに次の補正予算の編成に着手することを求めます。区長は産業振興センターや社会福祉協議会の窓口、PCR検査センター、公園、キッズプラザ、学童など多くの現場を見て回っていると伺っています。そうした場所を訪れている区民の声、現場職員の声、そうした声を基に必要な支援策を練り予算化することが求められています。まさに、酒井区長の言う対話の区政の真価が問われる場面です。
私たち立憲民主党・無所属議員団としても多様な声を集め、区民の命と暮らしを守るコロナ対策を提案していきたいと思います。執行機関と議決機関の適切な距離感を踏まえつつ、共にこの難局を乗り切っていきましょう。本補正予算がその一歩となることを期待し賛成の討論といたします。ご清聴ありがとうございました。
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