森たかゆきのブログ

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うるさいうるさい選挙カーは何故なくならないのか

数日前、乙武洋匡さんのツイートが目に入ったことがきっかけで選挙カーや公職選挙法についてツイートをしたところ、多くの反応をいただきました。
ツイートはこちら。

このツイートをした際には「公職選挙法豆知識の提供」くらいの意識しかなかったのですが、拡散され具合を見て、改めてこの問題についての関心の高さを感じたので、「何故選挙カーはなくならないのか」について私なりにまとめてみました。

・大前提―――公職選挙法は「べからず集」である
公職選挙法は、それぞれの候補者が公平な条件のもとで選挙運動を行うことを目的としています。その目的を達成するために、特にお金のある候補者が有利にならないようにということで様々な制限が設けられています。例えば、区議会議員選挙では自分の公約を書いたチラシを配布することすらできません。出来ることが限られてる以上、候補者心理としては自然と「出来ることは何でもやろう」という発想になってしまいます。

・選挙カーは「移動看板」でもある
べからず集である公職選挙法は、候補者の名前やキャッチコピー、政策等を書いた「文書図画」についても厳しく制限していますが、選挙カーに搭載する看板や車体には名前等の掲載が認められています。かなりの大きさで名前を掲載できるので、これを使わないという判断は候補者としてはかなり勇気のいることです(私自身が「選挙カーを使わない」という判断をする際にも、最後までここで迷いました)。

・選挙カーは公費で使うことが出来る
お金のある候補者が有利になってしまわないようにということで、候補者には様々な費用の公費負担制度があります。選挙カーも、レンタカー代、運転手さんの報酬、ガソリン代などが税金から支出されます。自分のふところは痛まずに済むので、選挙カーを使わないという選択はますます難しくなります。

・選挙カーでの名前の連呼は「効果がある」
選挙活動の中で「何をするとどのくらいの効果があるか」を定量的に把握することは難しいので、実際にどこまで効果があるのかは分かりません。ただ、名前を連呼し続ければ、一定の割合で自分の名前を覚えてくれる方が増えるだろうということは予測が出来ます。もちろん「あの候補は選挙カーがうるさかった」という形で認識されることもあるでしょうが、「ネガティブイメージであっても全く知られていないよりはマシ」という意識の方もいらっしゃるようです。

・選挙カーを「求めている」有権者もいる
ネット上の反応を見ていると選挙カーは極めて評判が悪いのですが、有権者の中には自分の住んでいる地域に選挙カーがまわってこないことを不満に感じる方や、逆にわまってきてくれてうれしかったという方もいます。こういう方は既に候補者と顔見知りで応援してくれている方だったりもするので、そうした声を無視するというのも候補者としてはなかなか難しい訳です。

私なりに整理をすると、選挙カーがなくならない理由はざっとこんな感じでしょうか。私自身は、名前の連呼ではなく政策本位の実現をしたいという思いや、狭い中野区内に数十台の選挙カーが行き来することによる住環境悪化への配慮などから選挙カーは使用しないことと決めています。しかし、こうして「選挙カーがなくならない理由」をまとめてみると、やっぱり使った方が良かったかなとちょっと思ってしまいました(笑)それだけ、現行制度が選挙カーを使う方使う方へと候補者を誘導しているように感じます。

選挙カーをなくすにはこうした制度の改善が必要だと思いますが、さしあたっては、選挙カーへの嫌悪感を示し続けること、選挙カーを使わない候補者の中から選択して投票することなどで対処するしかないのかなと思います。

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