立憲民主党 中野区議会議員の森たかゆきです。
本日3月5日、中野区の平成31年度(2019年度)予算が中野区議会本会議で可決・成立しました。区長選挙で私たち立憲民主党はじめ国政野党系政党が支援した酒井区長の予算案が自民党公明党過半数の議会を通過するのかと注目されていましたが、蓋を開けてみれば一般会計予算はなんと42人の議員全員が賛成でした。(予算案の概要はこちら)
とはいえ、自民党公明党からは予算審査を通じて厳しい発言が相次ぎました。その結果、今回の予算には、計5つの意見が付きました。
1.区民費中「旧中野刑務所正門学術調査」については、迅速かつ多角的な調査・検討を行い、議会の理解を得た上で、平和の森小学校新校舎等整備に支障を来さないよう努めるとともに、良好な教育環境を確保されたい。
2.環境費中「森林環境譲与税活用事業」については、中野区地球温暖化防止条例の目的に即して、なかの里・まち連携自治体を中心に、議会への報告と十分な議論を経たうえで、進められたい。
3.基本構想改定の検討に当たっては、現状で想定される10年間の財政フレームを議会に示されたい。
4.新区役所整備については、今後の資金調達も含む財源を議会に示し、理解を得たうえで執行を行われたい。
5.平和の森公園再整備工事については、工事の中断、延伸等により生じた補償額及び損害額等の議会への報告を誠実に行われたい。
1~2が自民党から、3~5が公明党から提出されたものです。
上記の他では、今後ピークを迎える中野区立小中学校建て替え経費の財源について、酒井区長が昨年示された「当面5か年は起債をせずに基金を活用して建設費を賄う」という考え方を転換し基金も活用していくとしたことに対して自民党・公明党から批判がありました。唐突な方針転換で、将来世代に負担を残すということです。
しかし、私からすると、昨年の区長選挙前に「5年間は起債せずに学校を建てる」という方針が示されたことの方が唐突感がありました。昨年の予算特別委員会でも言ったのですが、区長選挙前に「借金をせずに学校を建て替えることができるようになりました!」と言いたいがための方針転換という印象は否めず、むしろ今回の方針転換で「元に戻った」と言えるのではないかと考えます。
「将来世代の負担」という点については、昨年示された方針でも「起債ではなく財調基金への積立として負担する」という形で将来世代にも負担をお願いするという考え方は残っていました。ただし、起債をすればその分利子の支払いが増え、それを将来世代が負担することになります。その点で今回示された財政計画がベストなのかというと、私ももっと検討の余地があると考えています。今回示された5か年の財政計画によると、平成35年度起債残高は791億円と過去最高になる見込みであり、更に平成36年度以降も複数の学校建替えが必要になります。もう少し基金の活用割合を増やしてもいいのではないでしょうか。
現在の計画は、不況による歳入減少に備えて財政調整基金の年度間調整分を150億円ほどは残しておきたいという考えに基づいて作られているようですが、リーマンショック時も結果として基金はほとんど減少していないこと等を踏まえると、私個人としてはこの150億円は少し過大な見積もりではないか、100億円程度でよいのではないかと考えています。例えばこうしたところに再検討すべき点があります。
いずれにしても、学校の建て替え経費の賄い方は今後の区財政に大きな影響を与えます。今後もよりよい起債と基金活用のバランスの取り方について議論を深めていきたいと思います。
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