中野区役所・中野サンプラザ地区の一体再開発の事業構築にかかわる民間業者が選定され、中野区の公式HPに事業者名と提案概要書が公表されました。
区役所・サンプラザ地区再整備の事業構築に係る民間事業者の選定結果および提案概要書の公表について
2事業グループが選定されていますが、それぞれの提案概要書を見てみると、三菱地所の方には「サンプラザの記憶を継承する」、野村不動産の方には「NEW SUNPLAZA」との記述があり、いずれの提案でも現中野サンプラザからの連続性を強調する記述が見られます。民間事業者が中野サンプラザの知名度などに価値を見出してそうしているのか、単にサンプラザを解体するというと区民の反発も大きいからそうしてくれと区からのリクエストがあってのことなのかは分かりません。募集要項の中にはそうした記載は見当たらないのですが、区長があるイベントで「もっと大きいサンプラザを作りたい」と言っていたり、私の議会質疑に対して「中野サンプラザが持っているシンボル性につきましては、何らかの形で活かすよう検討してまいります」と答弁があったことから考えると、非公式ではあっても区からそうした要望があってもおかしくないなと思うところです。いずれにしても、今後はこの2事業グループからヒアリングなどをして区としての再整備方針を決めていくことになります。
一方、私の昨年の第3回定例会の一般質問で判明した通り、現中野サンプラザには耐震性の問題はありません(質疑の議事録はこちら)。昨年、NHKや日経新聞が「中野サンプラザ解体へ」と報じて以降、なにかサンプラザ解体が既定事実のようになっていますが、それも今月の中野区議会議員選挙の結果によってはどうなるか分かりません。
私自身は、中野サンプラザ解体そのものを完全には否定しません。本当に財政的な効果があるのであれば検討してもいいと考えていますが、その部分は未だに不透明です。また、区が「グローバル都市を目指す」といったところで、それを実現するのは容易ではありません。区がICT・コンテンツ産業の集積を目指した中野セントラルパークですが、こちらはKIRINグループ本社や栗田工業などその業界で日本を代表するような企業が入居したものの、いずれもICT・コンテンツ関連の事業者ではなくICT・コンテンツ産業の集積は実現していません。どのオフィスにどのような企業が入るのかは基本的には市場で決まるものであり、補助金を出すなどをして無理に誘導でもしなければ区の意向よりも市場の影響の方が大きいのは当然です。区の計画決定にあたっては、そもそも自分たちに何が出来るのかをしっかり見極めて頂きたいと思います。
また、私は、耐震性に問題のない施設を安全性に問題があるとマスコミに説明し「解体やむなし」の雰囲気を何となく作っていこうという意図の透けて見える区の情報公開・情報提供の姿勢には大きな不信感を持っています。この部分が改善をされない限り、こうした再開発計画を積極的に進めるべきとは言えません。
2015年4月執行の中野区議会議員選挙も近付いてきました。こうしたことも、皆さんの投票の判断材料にしていただければと思います。
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