中野区議会議員選挙に向けて、改めて自分の問題意識を整理しています。今回は、私の基本的な政治姿勢に関わる問題意識をお示しします。来期へ向けて、私は3つの「○○は票にならない」という政治の世界の常識に挑戦したいと考えています。
常識その1:「子育ては票にならない」
誰が言い始めたことなのかは分かりませんが、これは政治の世界では本当によく言われます。確かに、年齢別の投票率を見てみると基本的には年齢が高くなるほど投票率も高くなります。これは国政選挙でも地方選挙でも変わりません。地方面ですが、朝日新聞にこんな記事が出たこともありました。 争点と票の行方・4 子育て「票とれぬ」本音見え
常識その2:「政策は票にならない」
「政策通ほど選挙に弱い」という言われ方をしたりもします。常識1の「子育ては票にならない」の拡大版と言ってもいいのかもしれません。チラシやホームページを作るにあたって、「読まれるのは政策じゃなくてプロフィールなんだから、そちらを充実させなさい」とアドバイスを頂くのはもはや恒例です。「そんなに政策書いても誰も読まないから文字は少なくしなさい」も同様です。
常識その3:「ネットは票にならない」
ネット選挙が解禁されたものの、未だにこう言われ続けています。というよりも、むしろネット選挙解禁以降の方がそう言われる傾向は強くなっている感すらあります。例えば、ネット選挙解禁以降の23区の区長選挙をみても、殆どのケースで一番ネットを使っていない候補者が当選しています。公職の選挙ではありませんが、先の民主党代表選挙もそうでした。
こうしたことが「常識」とされるのにはやはりそれなりに理由があるのですが、そのことがもたらす結果は深刻です。
・「子育ては票にならない」から、子育て支援施策は後回しにされる
・「政策は票にならない」から、政策提案競争ではなく地域行事回り競争になる
・「ネットは票にならない」から、政治家がネット上のコミュニケーションを行わない
しかし、本当にこれでいいのでしょうか。
少子化が進む中、子どもを産みたいと思う人たちが安心して産める環境づくりは急務であり、子育て支援施策の充実は待ったなしのはずです。
長期的に厳しい財政状況が続くと見込まれる中、単なる地域の御用聞きではなく、まち全体のあり方を考えて必要な政策を提案することのできる政治家が求められます。
ネットが社会のインフラ化する中、ネットを使った情報発信・有権者とのコミュニケーションのできる政治家が増えなくては、ますます政治と住民の距離が開いてしまいます。
私は、やり方次第でこれらの「常識」は打ち破れるのではないかと考えています。
・子育て世帯に響く政策を打ち出せれば、「子育ては票になる」
・住民ニーズを把握し魅力的で説得力のある政策を打ち出せば、「政策は票になる」
・利点である双方向性を活用し信頼関係を構築できれば、「ネットは票になる」
5年弱の議員活動を通じて、こう感じるようになりました。
私のその感覚があっているのかどうかは分かりませんが、「子育ては票になる」「政策は票になる」「ネットは票になる」、これらが新しい常識となれば、政治家の行動原理も大きく変わってくるはずです。
・本当に必要とされる子育て支援施策を、政治家が競って考える
・政治家が地域回り競争ではなく政策提案競争を行う
・ネットで有権者とコミュニケーションを取る政治家が増え、政治家と住民の距離が縮まる
こうした政治の好循環の実現を生み出すために、私はこれら3つの政治の世界の「常識」に挑戦したいと考えています。
早稲田大学マニフェスト研究所の「マニフェストスイッチプロジェクト」に政策を登録・公開したことも、その政策の最重要課題に子育て支援を位置付けたのも、webアンケート(総合版と子育て版の2種)を作ったりtwitterで双方向のやり取りを続けたりしているのも、こうした考えがあってのことです。身内も含め、3つの「常識」に縛られた人たちから「またそんな票にならないことばっかりやって…」と怒られたり呆れられたりの日々ですが、愚直に挑戦していこうと思っています。
LEAVE A REPLY