森たかゆきのブログ

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区立幼稚園の存続を求める陳情に対する民進党議員団討論原稿

中野区議会議員の森たかゆきです。

先ほど、第3回定例会が閉会しました。
報告すべき内容がてんこ盛りの定例会となりましたが、取り急ぎ、本日の本会議で行った区立幼稚園の存続を求める陳情4本に対する民進党議員団の討論原稿を掲載します。

今回の討論にあたっては、区長、職員、同僚議員、陳情者を始めとした区民の皆さんに対する訴えであることと同時に、10年20年先にも読まれることを強烈に意識をして原稿作成にあたりました。少し長いですが、お読みいただければと思います。

なお、採決の結果、第4号陳情、第7号陳情は採択、第5号陳情、第6号陳情は不採択となりました。

区立幼稚園陳情討論

民進党議員団として、上程中の第4号第7号陳情について賛成、第5号第6号陳情について反対の討論を行います。

まずは、第4号陳情について述べます。
本陳情は、区立幼稚園の役割と存在意義を考え2園の存続を求めるもので、賛同者13371筆の署名が添えられています。

本年1月、中野区は、新しい中野をつくる10か年計画第3次(改定素案)の中で、区立幼稚園を全廃し民間こども園へ転換する方針を示しました。そのわずか10ヶ月ほど前に策定された子ども・子育て支援事業計画には何の記載もなかった方針であり、唐突な印象を受けるものでした。その後、本陳情の審査を含め今日まで多くの議論がなされてきました。民進党としてもこども園の必要性は充分に認識しており、新設については進めて頂きたいと考えますが、区立幼稚園を廃止し民間こども園を作る必要性がどこにあるのか、また、こども園に転換するにしてもなぜ区立でなく私立なのかについて、納得のいく説明はありませんでした。

こども園については、子ども子育て支援新制度によって推進が謳われているものです。しかし、新制度は子育て支援の量の拡充と質の向上を「地域の実情に応じて」進めることが大前提の制度です。国の制度がこうなったから中野区もそうしなくてはいけない、というものではありません。
では、中野区の実情はどうでしょうか。子ども子育て支援新制度のスタートに当たって行なわれた子ども子育てアンケート調査の結果報告によると、「平日の定期的な教育・保育事業の利用意向」で、こども園は幼稚園枠保育園枠合わせて17.1%と一定のニーズがあることが読み取れます。しかし、同調査によると幼稚園の利用意向は31.7%と、幼稚園のニーズも多く存在しています。区立幼稚園に限ったニーズについては調査すらされておりませんが、来年度の入園申込結果でもかみさぎ幼稚園の4歳児クラス以外は募集人員を超える申込があったことなどから、区立幼稚園のニーズもまた根強く存在していると考えられます。私たちのところにも、保育園を増やして欲しい待機児童をなくして欲しいという要望は多く寄せられますし、区が廃止の方針を示して以降は区立幼稚園を残して欲しいという要望も多くいただいていますが、認定こども園を増やして欲しいという要望はなかなか聞こえてきません。認定こども園という制度がまだあまり知られていないこともあるのかもしれませんが、区立幼稚園を全廃してまで民間こども園を設置しなければならないほど差し迫った状況にあるとは言えません。

区は、この間の議論の中で、何度も、児童数の急増期に私立園が不足している地域に区立園を設置したという歴史的経緯に触れています。しかし、そうした歴史的経緯があるからといって、今現実に区立園が果たしている役割を無視していいことにはなりません。特に、本陳情の中でも触れられていますが、区立園が障害や発達の課題を抱えている、特別な支援が必要なお子さんの受け皿となっている点については、大きな役割のひとつだと考えます。昨年度から私立園が特別な支援を必要とするお子さんを受け入れるにあたっての区独自の補助制度が作られましたが、それが今後どこまで活用されるか、現時点では見えてきません。私立幼稚園の皆さんにも受け入れを頂いており、また今後に向けて更なる御努力も頂いていると承知していますが、特別な支援を必要とするお子さんが増加傾向にもある中、私立園に全てをお願いするには無理があるのではないでしょうか。区立園がそのために作られた施設ではないことは理解しますが、中野区の全ての子どもたちに幼児教育を受ける機会を保障していくためには、区立園の担っている役割は重要です。

今後、区は、子ども子育て会議に部会を設置し、就学前教育の充実に向けた検討をするとしています。その中では、就学前の特別支援教育の充実や区の果たすべき役割について議論するとしていますが、順番が逆ではないでしょうか。まず区として就学前教育、特別支援教育の充実に向けどう責任を果たしていくべきか、その考え方が先にあって、その上で、区立幼稚園を存続させるほうがいいのか、別の形にした方がいいのかの判断がなされるべきです。「区の幼児教育に対する考え方を示し、その中で区立幼稚園のあり方をしっかりと位置づけるべき」という指摘は、11年前、みずのとう・やよい幼稚園の廃園の議論の中でもなされてきたものです。
廃止の方針が10カ年計画の改定素案の中で唐突に示されたこと、それが廃止の影響が出る学年の募集が終了した後であったことなども、11年前と共通する問題です。11年前の区民の切実な声・議会の真摯な議論を行政がどのように受けとられて来たのか、疑問を持たざるを得ません。
就学前教育の充実に向けた検討の中では、保幼小中の連携強化を図るとしています。こうした施策を進めるにあたっては、その時々の現場の状況や課題を的確に把握しておくことが求められます。そして、そのためには区として幼児教育の実践の場を持っておくことが欠かせません。また、区としての幼児教育、就学前教育のモデル、スタンダードといったものを考えていくにあたっても、やはり区が直接運営する幼児教育の現場を持っておくことは非常に重要であると考えます。
今回の議論の過程で、議会での議論や保護者・地域の方の意見を受けて、区は、園児募集を停止して一旦閉園する方法から園を運営しながら転換をすることとすることで、単学級で修了する学年がないよう当初の計画案を変更しました。就学前の子どもたちの育成環境における異年齢の子ども同士の関わりあいの重要性を考えれば当然の対応ですが、しかし、だからこそ区が当初その重要性を認識していなかったのではないか、せっかく高く評価されている区立幼稚園を運営していながら、その現場の知見が区の経営層にまで届いていないのではないかと思わざるをえません。今後、教育大綱の策定や教育ビジョン、子ども子育て支援事業計画の改定が控えています。この機会に、改めて就学前の子どもたちの学びと育ちに何が必要なのか、区全体で考えていただきたいと思います。

以上述べてきたことから、私たち民進党議員団としては区立幼稚園の役割は今も大きく、現時点での廃止は適切ではないと考えます。よって、第4号陳情について賛成いたします。

なお、本陳情には区立幼稚園を存続すべきとする期間については明記がありませんが、10カ年計画第3次(改定素案)を受けて提出されたものであることから、その後については検討の余地はあるという点は述べておきます。
区は区立保育園の民営化も進めています。一定程度は必要なことですが、こちらも全てを民営化していいものではなく、保育の現場についても区として持ち続けるべきではないでしょうか。今後、保育ニーズの低下により区立保育園全廃が検討されるような状況になり、また、働き方の多様化などによりこども園のニーズが高まるような状況になった際には、区立幼稚園や区立保育園を区立のこども園に転換し、そこで幼児教育、保育の現場を持っていく、こうしたことについては将来的な検討の余地があると考えます。
将来的には、こども園が就学前の子どもの居場所としてスタンダードな施設になることも考えられます。区はこども園運営のノウハウがないなどと言っていないで、様々な研究や場合によっては経験のある他自治体や民間の力も借りながら、区としてこども園運営のノウハウを蓄積していくべきです。

第5号陳情については、主旨にある「地域・保護者の合意」の有無を、具体的に何をもって判断すべきかが不明確なため反対といたします。
第6号陳情については、既にこども園の新設と区立幼稚園廃園のスケジュールに違いが出ていること、単学級での修了はない計画となっていることなど、陳情提出時からの状況の変化があることから、反対といたします。
第7号陳情については、その主旨から、第4号陳情の採択で願意は叶えられるのではないかとも思われますが、どんな課題を抱える子どもにも等しく教育を受ける権利があり、その権利を区が保障することの重要性に鑑みて賛成といたします。

今回、4本の陳情の審査に当たり、私たちは、陳情者の方をはじめ区立幼稚園を利用された多くの保護者の方から「子どもを区立幼稚園に通わせて本当に良かった」という声を伺いました。区立幼稚園で行なってきた教育が利用者に高く評価されている、中野区には、このことに誇りと自信を持って、今後とも区立幼稚園の運営に当たって頂きたい。そのことを申し上げ、区立幼稚園廃止にかかわる4本の陳情に対する討論と致します。

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