森たかゆきのブログ

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所沢市のエアコン設置の是非を問う住民投票から、「二元代表制」の意味を考える

所沢市で、小中学校へのエアコン設置の是非を問う住民投票が行われ、大きな話題となりました。
投票率31%、約65%がエアコンを設置すべきとの結果だったそうです。結果に法的拘束力はありませんが、エアコン設置に否定的であった市長がどう判断するのか注目されます。

一方、4000万円の費用をかけて住民投票をやる意味があったのかという疑問もあります。例えば、教育評論家の尾木直樹氏は、自身のブログで「議員の仕事のサボタージュ!」「外から見ると「異様」」と、合意形成の出来なかった所沢市議会を痛烈に批判しています。

確かに議会での議論で合意形成出来なかったのかという点は気にかかりますが、しかし、議会(の多数派)と首長がそれぞれ「どうしても譲れない」という場合にこうしたケースが出てくることは十分に想定されます。

自治体の予算編成権は首長にあります。議会からの増額修正は、この予算編成権を侵すことになるため、大きな制限があります。また、議会から首長に執行を命令することもできません。二元代表制を採用しているということは、具体的には「こういうこと」なのです。

首長と市議会議員は、それぞれの民主的正統性を背負って職務にあたります。妥協のない政治はあり得ませんが、しかしそれぞれの政治家に「譲れない一線」があることも十分に理解できます。公約に違反するような妥協をしてしまうことこそが「議員の仕事のサボタージュ」であるといういい方もできるのではないでしょうか。

最終的に住民投票まで至ってしまったことをもって議会が機能していないとする批判は、地方議会に身を置く1人として受け入れがたいものであると感じます。

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