森たかゆきのブログ

中野区議会議員(立憲民主党)森たかゆきの公式ブログです

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「共産党主導の現区政」という無益なデマを多少でも有益なものにするために区財政の議論と絡めて考えてみた

立憲民主党 中野区議会議員の森たかゆきです。
中野区長選挙、中野区議会補欠選挙も終盤に入ってきました。本来、建設的な政策論争の行われるべき選挙戦で、いながき候補陣営が「共産党主導の現区政にNO!!」と声高に主張し、その乱暴な印象操作に注目が集まってしまいました。それでも選挙戦が進めば政策論議も深まるだろうと思っていたのですが、残り2日、最終盤となったこのタイミングでいながき候補が自身のFacebookに「共産主導の現区政にNO!!という私の主張について、ご説明させていただきます。」との投稿しているのを見て、本当にげんなりしています。

投稿の内容自体は大した中身はありません。区政において何かを実現したいと考えている団体というのは、私たちのような政党や区長部局、地元の業界団体など、様々にあります。その中で共産党が突出して「区政を主導している」と言える根拠は結局何も示されていません。いながき氏が指摘しているレベルでの共産党の影響力をもって「区政を主導している」と言えるのであれば、私たち立憲民主党はもちろん、公明党だって区政を主導していると言えることになってしまいます。

本当は、「私たち立憲民主党こそが区政を主導しているのだ」と言いたいところですが、それも私たちの実感からは程遠いのが実情です。私たちは酒井区長の下で自分たちの政策提案を多数採用していただき、ともに形にしてきました。前区政時代よりも確実に区政は良くなっており、だからこそ区長選挙で酒井区長を応援しています。しかし、じゃあ酒井区長と何から何まで考え・認識が一緒かと問われれば、全くそんなことはありません。区議会の議事録をご覧になっていただけるとご理解いただけると思うのですが、案件によっては酒井区長(行政側)と私たちの考え方が合っておらず、厳しい指摘をさせていただいているものもあります(選挙で応援したとしても、おかしいと思ったことがあれば厳しく指摘をするのは、二元代表制の本旨から考えて当然のことです)。

その中でも、最も重要な認識のズレは、区財政の現状認識についてです。酒井区長は、令和2年9月の議会で、新型コロナウイルス感染症の影響から、「財政的な非常事態と言わざるを得ない」と述べました。これに対して、私は、過去の財政非常事態宣言は決算の数字を踏まえて行われたことなどを引きながら、「非常事態というのは時期尚早だ」と指摘しました。ここから今に至るまで、区長と私たちの認識のズレは修正できていません。
区は、財政非常事態の根拠として「今後10年はコロナ前の歳入状況には戻らない」との見込みを示していましたが、令和4年度予算の歳入見込みは、既に令和2年度予算を上回っています。さすがにこの状況であれば財政非常事態の認識も変えてくれるだろうと考え、今年度予算の審査の場でもこの問題を取り上げましたが、区の認識は未だ「財政的な非常事態」のままであるとの答弁でした。

ちなみに、区議会の議論を聞いていると、区の「財政的な非常事態」との認識を肯定しているのが自民党、否定しているのが、立憲民主党、公明党、共産党という形で、極めていびつな状況になっています。
自民党の場合、本当に財政的な非常事態と考えているというよりも、「酒井区長が財政的な非常事態を招いた」と政治的に利用するために敢えて区の認識を肯定しているように思われますが、いずれにしても「財政の現状認識」という区政の根本にかかわる部分でズレがあるのでは、残念ながら私たちが区政を主導しているとはとても言えないと感じます。

さて、いながき候補の選挙公報をみると、「財政再建するまで区長報酬30%カット」との記載があり、彼女も現状を財政的な非常事態と捉えているようです。私はいながき候補と10年以上一緒に区議会で仕事をしてきましたが、彼女が財政運営の議論をしているのをほとんど聞いたことがありません。どのような根拠をもって現状の区財政を非常事態と捉えているのか、どのような手段で財政再建を行おうとしているのか、ぜひ説明をしてほしいと思います。特に、確認団体のチラシ等では児童館や区立保育園を減らすことを悪いことのように書いていますが、これら区有施設の取り扱いをどう考えているのか伺いたいところです。
そして、酒井区長にも、当初の見込みを大幅に上回る歳入状況になりながら何故財政的な非常事態という考え方を変えなかったのか、今後どういう状況になったら認識を変えるのか、説明をしてほしいと思います。

本来は、こうした議論がなされるのが区長選挙のあるべき姿だと思います。

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