森たかゆきのブログ

中野区議会議員(立憲民主党)森たかゆきの公式ブログです

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中野区教育委員会にPTAの負担の重さや強制加入等の問題への取り組みを求めたところ、不十分な認識が露わになりました

立憲民主党 中野区議会議員の森たかゆきです。

何度かに分けて予算特別委員会での質疑内容をお伝えしています。今回はPTAを巡る問題についてです。

中野区立小学校・中学校では、親御さんがPTA活動を通じて様々な場面で活躍してくださっています。他方、PTAを巡ってはその活動の負担が重い、のみならず、加入を強制される、非加入の家庭のお子さんに不利益があるといったことが全国的に問題となっています。そんなこともあり、私は小学生中学生のお子さんのいる方にお会いすると、意識的にPTAの話を聞くようにしています。やはり加入に際して強制性を感じたといったご意見は多いですし、加入自体は納得してPTAに入っているけども役員の強制があるといった話も伺います。

こうした問題に自治体・教育委員会として取り組むところが出てきています。先日は、私の民主党時代の若手議員仲間が市長になった川西市で役員経験者や有識者らを招いてPTAの問題点などを話し合う検討会を設置するというニュースがありました(「PTAなんとかして」自治体が保護者の負担軽減を検討)。さいたま市教育委員会は「PTA活動の円滑な実施に向けて」という通知を出し、入会は任意であること及び入会・退会の方法について周知されているか、学校においてPTAへの個人情報の提供について保護者の同意を得ているかなど5つのチェックポイントを挙げています。これは管理職向けに発行したものとのことです。大津市教育委員会ではさらに詳細な「PTA運営の手引き」を作成しています。

PTAの負担軽減、任意加入の実質的な保障、PTAに関係して不利益を受ける子どもを出さないといったことのために、中野区においても同様の取り組みが必要ではないかと質しました。

中野区教育委員会からの答弁は、「中野区の小中学校のPTAは伝統的に子どもたち、学校のために熱心に取り組んでいただいていて、より良い学校環境づくりに欠かせない存在となっている。卒業後も地域のきずなを深めるなど地域力向上にもつながる活動である。各PTAが工夫をして新たな加入者についても理解を得ながら運営している。教育委員会としてはPTA活動に対する理解を進めるためのミニガイド発行など、引き続き側面支援をしていきたい。」といったものでした。

残念ながら、問題に対する認識が不十分であると言わざるを得ません。答弁にある「ミニガイド」は新一年生の保護者向けに作成されているものですが、内容はPTAの「ねらい」や活動内容等に関するもので、負担軽減、任意加入、個人情報の取扱い等の今日的な問題には触れられていません。

教育委員会は、日ごろから小学校・中学校のPTA連合会などとはコミュニケーションをとっています。議会の方もそうした方々とのつながりは強く、特に自民党を中心にPTA会長や役員の経験者が多くいますし、私自身も子ども文教委員会に所属していた4年間は、毎年予算要望・意見交換の機会をいただいてきました。こうしたPTA連合会の方々の活動は非常に重要で、例えば来年度予算に校割予算の増額や学校現場のICT化促進が盛り込まれたもの、こうした活動があってこそのことだと考えています。しかし、だからと言って問題に目をつぶっていいことにはなりません。特に強制加入については、集会・結社の自由という憲法上の権利にかかわる話であり、加入が任意であることの周知は最低限やってもらわなければならないと考えています。

「PTAは欠かせない存在」という答弁からは、今のPTAの在り方が変わってしまっては自分たちが困ることになるのではという教育委員会の懸念が感じられます。しかし、それはそれほど心配すべきことでしょうか。私の娘が通う保育園にはPTAや父母会に類する団体はないのですが、それでも例えば運動会の時に「テント建てたりラインを引いたりの事前準備のお手伝いをお願いします。」といった話が園からあると、朝早くから多くの保護者が自主的に集まって準備をしたりしています。本当に子どものために必要な活動であれば、親御さんの多くは自主的にでも協力しようと考えるのではないでしょうか。

今回の質疑の答弁は大変残念なものでした。ただ、実はこの質問一つで教育委員会の認識や対応が大きく変わるという期待は元からあまりしていませんでした。継続的に議会で取り上げていくこと、困っている親御さんの声をより見える形で集約し教育委員会に伝えていくことなどの取り組みが必要であると考えています。また、もうすぐ今の任期が終わりますが、仮に次も中野区議会議員選挙に当選させていただいてあと4年間の任期をいただければ、その後半には私も当事者になります。当事者の立場で議論できるようになれば、より説得力も増すでしょう。

また、中野区内では各PTAが自主的に負担軽減に取り組んでいるという話も伺っています。そうした情報の横展開などを進めることで、教育委員会に頼るだけでない負担軽減も実現できればと考えています。これをお読みいただいている皆さんからのご意見や経験談もぜひお寄せいただければと思います。

ぜひ、よろしくお願いいたします。

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