森たかゆきのブログ

中野区議会議員(立憲民主党)森たかゆきの公式ブログです

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中野区平成31年度(2019年度)予算案の注目事業紹介(子育て支援・教育関係)

中野区議会議員の森たかゆきです。

本日は、予告通り来年度予算案の中から子育て支援・教育関係の注目事業をピックアップして紹介したいと思います。予算案の概要はこちら、子育て支援・教育関係以外はこちらをご覧ください。

1.子ども・子育て施策充実に向けた実態調査 約2922万円

子どもの貧困対策としてずっと求めてきた生活実態調査がようやく予算化されました。しかも、0歳~中学3年生のお子さんのいる世帯の全学年が対象とのことです。先行自治体の例でも一部の学年のみというところが殆どで、私が総務省に照会したところ、先行例は宮城県美里町と奈良県平群町の2自治体のみだそうです。

報道発表資料には、東京都の子どもの生活実態調査と同じ調査項目とするかのような説明がされており不安を感じましたが、担当部署に確認したところ独自の調査項目も考えるとのことでした。「子どもたちの生活の実態を知るためにはどういったことを聞いていけばいいのか」を皆で考えるプロセスも重要だと考えていたので、一安心しました。

 

2.保育人材確保・支援 約9億円

保育士不足への対応です。今年度の約5.5億円から大幅増額になっています。宿舎借り上げ支援(いわゆる家賃補助)が中心になると思われます。事務員の雇用支援や人件費率一定以下の施設へのペナルティ制度なども求めてきたのですが、今回は見送りになってしまいました。今後の課題として取り組みます。

 

3.区立保育園での使用済み紙おむつ処分 約808万円

少し前にネットで話題になった話ですね。区長が選挙の際の公開質問への回答などで実施を約束していたものです。前区長時代には本会議で「対応は難しい」という答弁もあったのですが、区長が変わると変わるものです。

 

4.不妊検査等助成事業・特定不妊治療費助成事業 約3472万円

私たち立憲民主党だけでなく他の複数の会派からも要望が出ていた不妊治療助成が予算化されました。行政はよく「妊娠期からの支援」という表現を使うのですが、更にその前からの支援が必要だと訴えて、ようやく予算化されました。それなのに、今回の報道発表資料にも「妊娠期から~」という表現が残っているのがやや謎です。

 

5.児童相談所設置準備 約4768万円

中野坂上駅に近い第10中学校跡地の複合施設に予定されている児童相談所設置経費です。2021年度の開設を目指して準備が本格化しています。特別区が児童相談所設置を目指している背景についてはこちらをご覧ください。

 

6.ペアレントメンターの育成 約453万円

発達に課題を抱えるお子さんが増えています。そうしたお子さんの保護者の方に寄り添い支援をする人材の育成に取り組む事業です。特別支援教育の充実も予算化されていますが、より早い段階での支援の充実という意味で重要な取り組みです。

 

7.学校における働き方改革 約8776万円

社会的に注目を集めている学校の先生などの働き方改革を進める取り組みです。議会には、先月末に「中野区立学校における働き方改革推進プラン(案)」が示されました。取り組みが始まることは歓迎ですし、プランの中に私たちが訴えてきた「給食費等の公会計化」が含まれているのもうれしいのですが、当面の目標が「週当たりの在校時間が60時間を超えないようにする。」とされている点は気にかかります。学校は家に仕事を持ち帰る文化が根強いとも聞く中で、本当にこの目標設定でいいのか、検討の余地があると考えています。

 

8.SNSでの通報・相談事業 約297万円

前区長の時代から導入を訴えてきた事業です。LINEやSTOPitといったアプリを導入した先進自治体の例では相談件数が前年の何十倍にもなっているケースもあるようです。時代に合ったツールとして、いじめ相談などに効果を発揮してくれることを期待しています。

9.学校体育館等の冷暖房化 約4.5億円

近年の酷暑を受けての事業化です。報道発表資料には児童生徒の熱中症対策という記述もありますが、学校の体育館は災害が起きた際の避難所になります。災害への備えという観点からも重要な取り組みです。

 

10.矯正研修所等跡地取得(用地特別会計 約100億円?)

平和の森小学校の拡張用地として国有地の取得を進める事業です。同学校敷地予定地内にある旧中野刑務所正門の取り扱いが課題になる中、門を現地保存しながらも校庭の広さを確保するために、まちづくり用地として考えていた土地を学校用地として活用しようという考え方が出てきています。区の基本的な考え方には賛同するものの、国有地取得は様々な課題があるので、次の議会の中で議論を深めていきたいと思います。

 

番外編.保育の質ガイドライン策定

唯一の番外編です。前区政ではありえなかった画期的な取り組みだと思うのですが、不思議なことに何故か報道発表資料に保育の質ガイドライン策定に関する記載がありません。「保育の質向上に取り組みます。」との記載があるのにこの事業に触れないのは不自然で、その理由が気になります。いずれにしても、きちんと中身のあるガイドラインとなるよう議会でも議論していきたいと思っています。特に、現在のスケジュールで本当に十分な議論ができるのかという点が大きな課題です。

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